ただ歩いてゆく旅

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2010年 07月 02日

和歌山県入り

【これまで歩いた総距離数】1,377km
【現在地】和歌山県 新宮  









大同楽座から熊野市まで端無さんが荷物と一緒に送ってくれた。
フミさんが日本縦断の途中に出合った旅人の二瓶さんも一緒。

二瓶さんは数日前に、フミさんに会いに来てくれたライダーで、大同楽座で一緒に過ごしたが
66歳の好奇心旺盛で発想豊かな人だ。
料理が上手で、いつも美味しいおかずを作ってくれて、最後の夜は私たちに尾鷲の名物を
食べて欲しいと、腕を振るってくれた。

熊野市の海岸には、以前取材に来てくれた朝日新聞の記者の人も、写真を撮りに来てくれて
3人に見送られての出発だ。
とっても晴れた日だったけど、やっぱりお別れは寂しいものだなあ。








出発の朝、大同楽座前で左から、二瓶さん、端無さん
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熊野市からは七里御浜を進んで行く
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新宮では、RIKIさんのご主人が紹介してくれた、金子さんの家に泊めてもらった。
金子さんは、新宮から離れた山奥の集落に民家を借りて、一人で暮らしていると聞いていた。
新宮まで車で迎えに来てくれた金子さんが山の奥へ奥へと車を走らせる
ここが集落の終わりかなと思ったら、さらにそこから走り、この先もう誰も人が住んでいないという
場所まで来た。
そこでぽつりと「そういえば、家の前まで車が行けないんですよ」
到着して納得、歩いて橋を渡らないと、家にたどり着けないのだ。
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この奥には誰も人は住んでいないし、畑も借りて使えるし、家の前の川は泳ぎたい放題だ。
金子さんは一目でこの家が気に入ったそうだ。
しかも家賃は無し。
高齢化でこの家に住めなくなった大家さんは、維持するのは大変だし、でも家は壊したくないから
金子さんが住んでくれて、とても喜んでいるようだ。
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東京生まれで、北海道大学卒業の金子さんは、カナダのワーキングホリデーで林業に興味をもち
この土地で応募していた林業の仕事に応募したのがきっかけで、理想の土地を見つけた。
家の裏手にある山の木も間伐してあげたり、かなり控えめで、好青年の金子さんはきっと
この土地のおじいちゃん、おばあちゃんから慕われているんだろう。
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翌日は3人で、120mの山頂にある神倉神社に出かけた。
白装束に松明を持って駆け下りる「お灯祭」で有名な神社だ。
金子さんも参加したことがある。
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「ごとびき岩」という巨厳を神体岩として祀るから、磐座信仰から発した神社と考えられてるそうだ
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午後は、熊野で知る人ぞ知る、武和(ぶわ)さんに会いに行くことになった。
武和さんはパッチワークハウスという家を基礎から全て自分一人で作った人で、
その家で土地のこと、信仰のこと、色々語り合った。
熊野にとても好きな場所が二つあってそこへ連れて行ってくれるという。
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雰囲気満点の沢を武和さんについて歩いて行く
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靴を脱いで川を渡り、武和さんお気に入りの場所に落ち着くと
3人とも一瞬無言になってしまった。
こんな美しい場所があるものなんだとため息ばかり
左が武和さん、右が金子さん
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武和さんは、雨の日も、満月の日も、年越しも、新年もこの場所で過ごす
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けれどもここには道路を作る計画があったそうだ
山の木を運ぶための道路で、その設計図もまだ役所に保管されている
今は中断されているようだけど、なんとかならないものかと話していた。
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お気に入りの場所に座ると正面にあるのが桃太郎岩
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最後に訪れたのが、樹齢1,600年の楠木
この木のすぐ下まで、観光バスが停められるような駐車スペースを作る計画が
あったそうだが、木の根が真下にある場所だ。
せめてもう少し遠くに作って欲しいとお願いしてなんとか難をのがれたそう
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三重県から南下してくると、自然、信仰、人々、少しずつ変わってくるのが肌で感じられる
なんていうのか密度が増してきているというか
武和さんの話しを聞きながら、やっぱりこの土地には何か存在するような、そんな気がしてくる。







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by ayumiaruki | 2010-07-02 13:16


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