ただ歩いてゆく旅

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2014年 07月 14日

神山レストラン~大萬峯~梨山


【台湾距離数】535

【これまで歩いた総距離数】 6,102km

【現在地】台湾 桃園県 復興郷 三民村

【旅の行程】 台湾 花蓮県 神木→(16㎞)→大萬峯→(32㎞)→梨山 






出発   新城   標高 0m 

1日目  天祥   標高 480m

2日目  慈雲橋  標高 1,117m

3日目  神木   標高 2,150m

4日目  大萬峯  標高 2,560m

5日目  梨山   標高 2,000m

 








登り4日目 天気良し 体調悪くない 

今日は、私にとって未知の世界、標高2,560mだ。

岩を削った道、下を覗き込むとほぼ垂直の岩がずっと下まで続いている。

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今日のピークはあの山のあたりだろうか。

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標高2,000mはさすがに涼しくて、空気もカラッとしている。これは私の知っている台湾じゃないなあ。

北海道みたいだ。

高低差500mだから今日はそれほど登らないはずなのに、道はどんどん下っている。

マジかよ~下った分は確実に登らなければならないから、こんな時の下りはもったいなくて仕方ない。

もう下らないでくれ~と願いながら道を曲がると、まだまだ下る。

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上を見上げても、やっぱり絶壁。

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しばらく進むと、ガソリンスタンドが合った。これも地図で調べた通りだけど、実際見つけると嬉しい。

久しぶりのガソリンスタンドだ。それだけでテンション上がる。

コーヒーという文字を見て、考えなしに足がそっちへ向いてしまうけど、この近くに交番があって

今日はそこでシャワーを浴びれないか聞いてみるという重要な用事があるから、コーヒーは峠まで我慢だ。

交番近くにあるはずなのにない・・・。
数日前、閉鎖された交番のことがあるから、期待と不安が入り混じる。

次の道を曲がると「あったーーーー」交番に入って挨拶すると、見かけによらず(失礼だ)フレンドリーな

お巡りさんで、シャワーとさらに私が「もし出来れば洗濯機を」と聞くと、そちらも快く貸してくれた。

シャワーなし3日目だったから最初に、ざあっーーとお湯を浴びたときは最高だった。
隣のシャワーでフミさんが「ぐふぁ~わわ~」と声を上げている。

お巡りさんは、私たちのゴミも受け取ってくれて、水はあるか?とかスマホの翻訳ソフトで聞いてくれる。
最後に頑張れよーと見送ってくれた。

ここで浴びれなかったら、結構キツかったから本当にありがたかった。

この時のことと、天祥でシャワーを借りたときのことが、新聞に掲載されていることをずいぶん後で知った。

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さあ、体はスッキリ。しかし足は重い、なんだこれ鉛でも入ってるかってくらい重い。リアカーも重く感じる。

やっぱり、ちょっと長く休むと筋肉が冷めてしまうのか足が痛くなるなあ。

フミさんも同じのようだ。

そんな時、「加油!加油!(チャヨーチャヨー)」と声を掛けてくれることは、嬉しい。

こちらのご夫婦はわざわざ車を引き返して、りんごと水の差し入れをくれた。

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しっかり下ったもんだから、想像していた以上の上り坂だ。

来たぞーー2,500m!!

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そしてついに、この山越え最高標高2,565mだーーー!ここは、標識があるだけで特になにもない。

今までのダイナミックな自然の世界から、自然とはまったく調和しない人の住んでいる傷跡が色濃く

見える場所に変わっていた。

ゴミや大量の廃棄物が散乱して、そこかしこに放置されている。

やったー!という気持ちより、このゴミの山や途中でほったらかしになった工事のような跡が印象深い。

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峠に行けば変わるんだろうと思っていたけど、そこは峠というより普通の道だった。

地図で調べていたとおり公共トイレはあるけど、コーヒーどころか、食べ物を食べれる店もない。

トイレの横で果物を売っている人は、怪訝そうな顔でこちらを見ている。

バス停は、暗くなってからならテントを張ることは出来そうだけど、生ゴミ臭いし、なにより

この流れで行くと、あまり楽しい出来事は待っていないような気配があるのだ。

こういう予感とも直感とも言える「流れ」に敏感になることは、旅をする上で重要なことだ。

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そして、もっと重要なことは洗濯物は直ぐに乾かすこと。少しでも日光に当てること。

目を光らせると、ガラスや割れた電球が散乱して、いやあ~な匂いのしているこの電信柱3本しか干せそうな

場所はない。まあしょうがないか。

フミさんは、ここからさらに高い山に登れるかどうか検討している。

凄いなあ・・・。

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時間的に登山は無理と諦めたようだ。

一息つくと無性にお腹が空いて、インスタントラーメン、りんご、お菓子、食べれるものは何でも食べた。
(これが原因で後でお腹が痛くなる)

そしたら疲れがどっと出た。登り続けて今日で4日目そりゃあ疲れるわなあ。

フミさんが偵察してくれて、もう少し進んだ場所にテントを張ることにした。

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トイレはないし、虫もわんさか飛び回ってるけど、一刻も早くテントで横になりたかったから助かった。

あ~段々と疲れが溜まって来てるなあ。

それに加えて、私は今日から1週間体調の悪い週になってしまった。

こんな山奥の一番標高の高い場所で・・・。

夕食の準備や片付けは全部フミさんがしてくれた。ありがとーー相棒。

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翌朝 山越え5日目 下り 体調最悪 あ~体が重い・・・そしてお腹が痛い(自業自得)・・・。

神木でテントを張った日の夜、寝袋で横になって直ぐ腕で何かがモゾモゾ動いているのが分かった。

「何かいるなあ~むにゃむにゃ」それから腕がチクッと痛くなって、「コイツは刺す虫だなあ~むにゃむにゃ」

起きてシャツ脱いで、虫を払いなさいと脳に命令しても体は半分睡眠状態に入っていて、ピクリとも

動かなかった。

モゾモゾ野郎は、チクチクッと攻撃しながら首の方へ移動している。

それでも体は睡眠状態だ。あ~まずいなあ~まずいなあ~と思いながら最後に首でチクッとしたのまでは覚えてる。

モゾモゾ野郎の正体は分からないけど、首の後にお腹ま周りまで攻撃したようだ。

これがめっちゃ痒くて、3日目の今日が一番痒かった。

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今日は2日かける行程を、1日で歩いてしまうことにした。途中にはトイレや水補給出来るところがないし

早く梨山に着いて、出来ればそこで1日休養を取ろうということになったのだ。

距離は32㎞。この体調で行けるのか。

今まで登りはフミさんが押してくれていたし、下りは私が押すぞーと頑張った最初の数時間・・・。

後ろからフミさんが「うわっ」と声をあげた。

私は全然気づかないでこの蛇の直ぐ横を歩いていたのだ。蛇はよくいるからあんまり騒がないんだけど

コイツは結構太い。

そして顔もこちらを向けていた。私が噛まれなかったのは食事中だったからのようだ。体の一箇所が

不自然に太くなっている。

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細い山道を登ったり下ったりが続く。私は昼前から頭もガンガンし始めて、ここ数年で一番体調が悪い状態。
そしてお腹の調子は悪いまま。
陀羅尼助様~~頼みます~~~。

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こんな時「一緒に写真撮って」と言われて笑顔にするのが結構辛かったりする。でも「チャヨー」の一声で

気持ちだけでも元気になれたり、台湾の人にはお世話になっているから、写真だけはいつでも快く応じたい。

スクーターに乗った男性は、一度通り過ぎてまた戻ってきてくれて、差し入れをくれた。

お土産屋さんで買ったばかりの高級そうなお菓子だ。きっと家に帰って家族で食べるとか、お土産用なんじゃ

ないだろうか。

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体調はどんどん悪くなってくる。リアカーはずっとフミさんが押してくれている。

そして土砂崩れの後と、工事が多くなってきた。

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道は下りのハズが、登ったり下ったりで体力を消耗させる。

私も体調悪いけど、フミさんだってそうとう疲れているハズだ。相当無茶しても足が痛くなったりすることは

滅多にないのに、ちょっと休憩した後でも「イテテテ」と不自然な立ち上がり方をしている。

この道は崩れた後に取りあえず造ったような道だった。

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これから歩いて行く尾根と、この日の目的地、梨山とが面白いように見える。

高い山に挟まれた、尾根伝いの町という地形も面白いし、それがずっと続いている。
ここを自分の足で歩いて行くんだなあと思うと、ワクワクしてくる。

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ここからの景色も素晴らしかった。しばらく眺めていたなあ。

すぐ近くに見えるんだけど、実際には下りながらぐるりと回り込んで、また登らなければならない。

ここから先が長かった。

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茶畑も増えてきた。この当たりで採れるお茶は、高山茶(カオサンチャ)と言って効果なお茶だ

台湾を訪れた人から「とても美味しいから機会があったら是非飲んでみて」と言うコメントがあって
かなり気になっているのだが。

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途中、車が並んでいるから何かと思ったら、土砂崩れの工事で、1時間に10分しか通行出来ない場所があった。

「ええ~~あと40分も待たなきゃならない。今日はまだまだ進まなきゃならないのになあ~」

とか言ってもしょうがない、椅子を出して休憩だ。

車の人は外に出て、他の人と世間話をしたり、子供は遊びまわったりしててのんびり待っている。

誰もブーブー言ったり、イライラしている様子がない。こういう工事に慣れているのか、大らかな

台湾の人の気質なのか。

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やっと通れたと思ったら、また足止めだ。

まあしょうがない。

それにしてもだるい、、、頭痛い、、、足痛い、、、、痒い、、、、。

フミさんが「梨山では宿に泊まろう」と言ってくれたんだけど、山越えの先はまだまだ長いし

それはまだ大丈夫と答える。

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ぐるりと周りこんで、40分待った土砂崩れの跡が遠くに見える。

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そしてまた工事で足止め。さっき通ったばかりのようで、ほぼ50分待つようだ。自分ペースの休憩

じゃないから、こういうのは逆に疲れる。でもしょうがない待つとしよう。

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工事のおばちゃんが昔、日本の温泉で民族舞踊をしていたそうで、日本後で話してくれる。

「これ社長さんよ」と言って紹介してくれた社長さんが工事の人達と私達にもアイスキャンデーをくれて、井戸端会議。そこへ車で待っている人、何人かも加わってまた井戸端会議が始まる。

台湾の人は、知らない人同士でも結構気軽に話す。てっきり友達なのかと思ったっていうくらい普通に話してる。
日本のように敬語がないのも理由にあるのかな?上司と部下でもあまりかしこまらずに話していたり

女子高生とおじさんも初対面で普通に話していたり、いいなあって思う。

この時は、おばちゃんが通訳をして話しが盛り上がる。

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工事のおばちゃんが水蜜桃(スウェイミータオ)をくれて、台北から来ていた車のおじさんが

マンゴー(マンクオ)をくれた。

日本後を話せるおばちゃんが、ここですかさず卑猥な冗談を連発する。

からっと明るいおばちゃんだった。私は結構好きだ。

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通行出来る時間だ。おばちゃんは私達を先に通らせてくたんだけど、このあと直ぐに車に追いついて

真っ白な土埃に飲み込まれてしまった。息を止めて早歩きで進む。

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それじゃなくても社長さんから「石が落ちてくるから上は見ないで、早足で進め」と言われていた。

見るなと言われると、見たくなるのが人間の心理。見上げたそれは「嘘だろーこれ風吹いただけで崩れるぞ」

ってレベルだ。

一目散で先へ進む。やっと工事区間が終わったと思ったら土埃で真っ白になった上に、ホースから吹き出してる

水を思いっきり浴びてしまった。

あ~もう最悪だーーーー!!

「フミさん、やっぱり宿に泊まろう」

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合歓山から私たちを脅かしていた、キャベツを運ぶトラック。通称「キャベトラ」と勝手に名づけた。

季節の野菜なのか早朝から夜中まで次々とキャベツを乗せたトラックが孟スピードでタイヤをキーキー

鳴らしながら峠道を飛ばしていたのだ。

コイツの存在も怖かった。

あ~マジで頭ガンガンだーーきっついなあ。こういう時は頭の中で数字を数えながら歩いている。

「1.2.3.4.」10まで数えて、また1から数えなおす。まるで囚人だな。

この区間は果てしなく、果てしなく長かった。

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そしてやっと梨山(リーシャン)の看板。

写真撮るのも辞めて、このまま進みそうになったけど、気合を入れてタイマーセットで記念写真。

梨山に着いた、もう宿以外考えられない。

こうなったら一刻も早く宿に入り、荷物を整理して、シャワーを浴びて、そして寝るのだ。

眠りたいのだあ~~~メシよし何より、眠りたいよお~~~~。

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by ayumiaruki | 2014-07-14 01:07


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