ただ歩いてゆく旅

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2017年 12月 13日

しつこくも、3度目の峠

【これまで歩いた総距離数】 7,885km
【現在地】 ペルー   ワスカラン
【旅の行程】
カナダ横断を一時中断して南米でバックパック旅
 2018年5月にカルガリーから旅再開予定






何度もしつこいなぁと自分でも思うんだけど、そこにあるのは分かっているのに、見えないもどかしさ。
消化不良とでも言うのか、他の場所ならここまでこだわらない。
でもこの峠だけはどうしても、本当の景色が見たかった。
これがワラス最後のトレッキングだ、見れなかったなら潔く諦めよう、、、、。

でも、でも、しつこくて良かったぁーーーー!!

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その日の朝。
目覚めたら窓から見える山々を眺める、この部屋になってから2人の日課だ。
朝5時、今朝は特にじぃーーーっと熱い視線を向ける。
ワスカランが赤く染まっている。
よしっ!よぉーーーし!!

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やっぱり3度目行くかっ!
母と電話で話したときも
「3度目も行くくらい凄い山なんだね、でもブログの写真見ても、それほど凄い場所なのか、ちょっとお母さんには伝わらないわ〜」

と言われた。た、し、か、に!!
毎回曇り空の同じ場所、えっ?また??
だよなぁ、、、、。

それでもまた同じ峠に向かう私達。
今日もコレクティーボの窓に張り付いて写真を撮りまくる。これがまた汚ったない窓で、、、。
だがしかし!今日はそんな汚れもすっ飛ぶくらいの景色に期待が高まる。
よーーーし!!3度目ついにキタか?

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しかーーーし!!
ここ数日続いた大雨で道はぬかるみ、峠近くになって車の後輪が左右に揺れ始めた。
だがドライバーは速度を緩めず、さらに滑らせたままで急な坂を登って行く。

ズルズルズルズルーーーー。
今や乗客全員が車にしがみつき、彼の運転に集中している。

次の瞬間、後輪がふわっと浮いたように滑り、崖側に大きく引っ張られた「ウワァーーー!」と叫び超え!

ズルズルズルーーー!!

「バハモス!!バハモーース!!!」
(降りよう!!降りよーーう!!!)

乗客全員がめいっぱい叫ぶ!フミさんも叫ぶ!!
バハモーース!!

もうダメだ!!嘘でしょーー!?何で!!

ホントに思った。
一瞬、あぁ3度目来たのがまずかったのか、、、と。
大抵の事にはビクともしないペルーの地元民が本気の顔で叫んでるし、私にはもう車輪は落ちてる感覚だった。

でもドライバーは切り抜けた。

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ずっと後ろを走ってた乗用車はスタックして、しばらく動いていなかった。

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はぁとにかく峠には着いた、、、、。
私達だけ降ろしてもらい、まずドライバーに一言。
「あなたの運転最高!!」
ホント窓が汚いとかゴメンね。
他の乗客も「はぁ〜〜〜」と顔を見合わせ大笑い。
これは共に危機を切り抜けた一体感か!?

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さぁ、天気はどうなんだ?
先ずは、いつもの峠の反対側へ行ってみよう。
おぉーー最初に歩いて来たときは雨で何も見えなかったけど、こんなだったのかぁ。

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お?峠で写真撮ってた自転車ペルーっ子がこっちに来るぞ。

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いつもここを自転車で越えてるそうだ。
標高4,767mの峠を荷物どころか、水も持っていないないなんて、やっぱりペルーつ子は逞しいなあ。
しかも彼らはこの後、スタックしていた車を押して救出していた。

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さぁいつも曇りだった峠の天気は?景色は?

おぉーーやっと見せてくれたか。
よっしゃあーーーーー!!
これは歩く前に昼ごはんだ!

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今までだって、絶景の昼ごはんを食べて来た。
あらゆる場所で。
それでもここは格別だ。

凄い!すごーーーーい!!

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大満足のフミさん。
もう写真に写しきれない!右も左も6,000級の山々が眩し過ぎる。
凄い!すごーーい!!しか出てこないのだ。

さっきの車では、もう本気でダメかと思ったのに、今はなんだかもう胸が一杯だ。
来て良かった3回目。

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そしてやっぱりこの景色。
ヤンガヌコ湖、九十九折、6,000m級の山々。
何度も撮ったけど、やっぱりここが好きだ。

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そろそろ下ろう。車道ではなく、登山道を下る。
今日はここ4,767mの峠から、前回テントを張った、3,900mのセボーシャパンパ(ラグーナ69キャンプサイト)まで一旦下り、そこからまた、4,700mピスコベースキャンプまで登ってテントを張る予定。
今日も寒い夜になるのは間違いないけど、やっぱりピスコベースキャンプでテントを張ってみたい。
下山途中、チャクララフも間近に迫る。

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何度か車道に出たり、また登山道に戻ったりしながら下って行く。
車道はまさしくヘアピンカーブの連続。

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峠から見下ろしていたヤンガヌコが目線の高さになった。
ちょっと曇ってきたな。
峠からセボーシャパンパまで下るのに2時間かかった。
前回テントを張った場所で休憩してから、さあ今度は登りだ。
この後の登りが、たった3時間なのにキツい。

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でもここまで来て良かった。
雨も降り出したけど、山々に囲まれたピスコベースキャンプは、なんだか地上から浮いたように感じる不思議な雰囲気の場所だ。
そして私達以外に誰も居ないのが、また一層地上と離れた感覚にさせる。

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もうすぐ暗くなる。小雨の中急いでテントを張っていたら直ぐに本降りになった。予報通り夕方から雨だなあ。
夕飯を作って食べて、2時間ほど経っただろか。
テント内が明るくピンクに染まり、ジッパーを開けてみる。

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こんな瞬間が大好きだ。

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雨も止んだみたいだ。
さっきまで霧で見えなかった小高い丘のその奥には、ワンドイ、ピスコがすぐ近くに!
私達のテントは、あまりにも小さく見える。

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そして右手に奥にチャクララフ。
空はピンクから一瞬ブルーになり、そしてまた霧に包まれた。

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静かな夜に、不気味な音が響き渡る。
ゴゴゴゴォォーーー。
遠くの雪崩の音が木霊するように、どこからか聞こえてくる。

ドドドドォォーーー。
落石もあったのか今度は近くて鋭い音だ。

今まで一度も聞いたことのない不気味で力強い音、そしてまた静寂。
なおさら地上から離れた感覚になる。そして寒くて寝れない夜だった。

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2017年から世界最長の『トランスカナダトレイル』を基本に、夫婦でカナダを徒歩横断していますが、冬は南米でバックパックの旅をして、2018年5月にまた、カルガリーから旅を再開する予定です。


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by ayumiaruki | 2017-12-13 14:18


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