ただ歩いてゆく旅

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2010年 06月 24日

熊野古道を歩く

【これまで歩いた総距離数】1,330km
【現在地】 三重県 尾鷲市 大同楽座滞在中 
到達地点 熊野古道 二木島










いよいよ熊野古道を歩き始める。

と、その前に熊野古道とは・・・。

仏教が日本に伝わってから、人々は「神」と「仏」どちらも信仰してきた。
日本古来の信仰「神道」の伊勢神宮の神様は天皇家の祖先だから、朝廷や貴族はいいけど
一般人は江戸時代になるまで参拝など、とんでもない話。
でも神仏をあわせて信仰する熊野三山だったら、どんな人でも参ることができた。

都からみたら、熊野は山奥の地の果て、まさに「あの世」みたいなもので
仏教では伊勢山地の山々を「浄土」に見立てて、修行の舞台としたから(やまぶしとか)
熊野へ詣でることで「極楽浄土」を願い、たくさんの人が熊野へ巡礼の旅に出た。
そうして何百年もの間、何人もの人が歩いた参詣道が熊野古道」なのだ。

勿論、私はここへ来るまで知らなかったんだけど。












まずは一番の難所と言われている八鬼山(やきやま)越え。
巡礼の旅に出る人は、心や体に病のある人が多かったそうだ。
どこかにたどり着くことより、歩くという行為自体に意味が
あるのかな。
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一部だけがポスターに載ってるような石畳なんだろうと思っていたけど
今でもしっかりとした石畳が残っているのに驚く。
昔の人の技と根気強さには感心するなあ。
古道の石畳の幅は、約1.8m(六尺・一間)この幅が基本で
紀州藩の籠の大きさに合わせてある。
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頂上付近から数分道をそれると、展望の良い休憩場所があった
古道の雰囲気に酔いしれていたら、現実に戻った感じでなんだか
拍子抜け。ここって北海道?
でも眺めは抜群、気持ちよくて食後は昼寝してしまった
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時々赤く染まった石を目にする。よく見ると文字を消した跡のようだ
そうだ昔ニュースで見たぞ。
世界遺産に反対する住民が書いて、自分で消したものだ。
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この場所だったんだなあ、石も木も文字こそ消してあるけど、跡は
今でもしっかり残っている。
ニュースで見たときは、これで一件落着みたいな印象だったけど
こうやって自分の目で見ると、落着なんかしてないんだな。
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山を越えて下ると、一瞬ギョッとする光景が目に飛び込んできた
静かで美しい自然の中で、実際これを目にすると、異様な空気に
包まれて息苦しくなる。
その後も至る所に、白いペンキの文字があって
抗議の内容より、酷いという気持ちがずっと心から離れなかった。
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山を下って町に降りてくると、道の向こうに海が見える。
息苦しさからも開放されて、のどかな景色に少しほっとする
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すると今度は、抗議の看板が
旅行者にとって知らない土地というのは心細いものだ。
山中誰にも出会わず、町に下りていきなりこの看板を読んだら
抗議の内容よりも恐怖感の方が大きい
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これを書いた人にとって古道は生活道であり、世界遺産になって
不便な面もあるのだろうし、行政との行き違いもあったのかも知れないが
この古道を歩く人に向けて非難するのは、違うだろう!
木や石にペンキで書くという行為とかさなって、納得のいかない気持ちで
いっぱいだ。
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町を歩くと、気軽に声を掛けてくれる人がいて少しほっとした。
すこし冷静になって考えると、報道っていうのはほんの一部分しか
伝えられないものなんだなあとか
世界遺産になったことは知っていても、反対している住民のことは
何もしらなかったとか
それにしても他に訴える方法はないものかとか
次々考える・・・。









翌日も晴れたので三木里町から二木島へ二つの峠を越える
11キロの行程
三木里町を流れる河口は、信じられないくらい奇麗だった
人口が少ないからか、海も川も本当に奇麗だ
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古道には猪よけの垣根が何メートルも続いている場所がある
御上に米を納めなければならない昔は、こんな山の中まで田んぼ耕していたのだ
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男性の象徴を祀っている祠
へええ~~~ふ~ん。こういう祠は初めて見た
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少し古道から外れて、飛鳥神社
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羽後峠を下ったところにある賀田(かた)という町
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甫母峠を越えて
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この日の目標地点、二木島町に到着
何日も古道を歩いたら、飽きるかなあなんて思ったけど
峠によって、感じが違うし古道を下りたところにある町も、
それぞれに個性があって面白い。
平地のようには進まないけど、熊野古道を歩くことが段々と
楽しくなってきた。
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by ayumiaruki | 2010-06-24 01:08 | Comments(11)
Commented by photobra7 at 2010-06-24 07:23
すんなり読めて、読んだあとで怖くなった。
これはプロのレポートだああ!
いつのまに腕上げたの?

>世界遺産反対の文字
現実に見るとインパクトあるかも知れないけど、残念だけどこういう方法もありかな、と。
観光地化で儲かる人と政治家とマスコミがタッグが組めば、遺産化で困る人の声などかき消されるのでは、と想像してしまうから。
今、マスコミは弱者切捨てだから、こんな悲鳴が?
Commented by tes_music_system at 2010-06-24 08:16
誰にも反対されない方法ってあるのだろうか・・・?!
Commented by ayumiaruki at 2010-06-24 18:45
photobra7さんへ
そ、そんなあ~褒めすぎですよ。パンフレットとネットで何度も確認して書いたから、ものすごーーく時間がかかって、だんだん嫌になってしまいました・・・。
世界遺産の文字、見て感じたことを伝えるのは難しいですね。弱者切捨てのマスコミ、私もそう思います。
Commented by ayumiaruki at 2010-06-24 18:51
tes_music_systemさんへ
皆が納得できる方法はないのでしょうね。考え方も違うし、利害関係もあるし、この場所を残してゆきたいとも思うし・・・。
Commented by somashiona at 2010-06-25 09:27
いやぁ〜、綺麗だなぁ〜、うらやましいなぁ〜、兄も歩きたいなぁ〜。
樹木に直接書かれた「世界遺産反対」の文字、自然に対するリスペクとがまったく感じられない。まるでシーシェパードの抗議のしかたみたい。
美しい熊野古道を歩いた後だけに、あの看板は残酷だ。
いろいろな抗議のしかたがあるだろうけど(抗議自体は誰でも出来る権利がある)あの看板や落書きを放置しておけるということが一番理解できないなぁ。
私有地の中ならなにをしてもいいってもんじゃない。
ああ、言いたいことはたくさんあるけど、、、。

ブログ、過去最高のペースで更新しているねぇ。
その調子、その調子!
(いつまで続くことやら)
Commented by photobra7 at 2010-06-25 13:43
>だんだん嫌になってしまいました・・・。
もっと嫌になって~。
嫌になればなるほど、こちらが楽しく読めます!w
ラクすればするほど、こちらが苦痛(爆
Commented by 名もなき通りすがり at 2010-06-28 02:38 x
誰も好き好んで世界遺産だなんだと持ち上げられる土地に生まれて
住んでいる訳ではないんですよ?
あなた方のような旅行者は好きで訪れて残念だと言うことは簡単かもしれないけど
圧倒的に多い世界遺産登録賛成派の中で
小さくまとめられて無視されてる住民の気持ちが切ないです。
登山者をねぎらう言葉・・・迷惑を被っているのにこういうこと書けませんよ。
静かな土地だったでしょう?
こういうところでシャッターを切る音や、ただの話し声は
住民の迷惑になりうるんです。
もともとなかったものでしょうから。

簡単に起こした行動ではないはずです。
非難だけするのは簡単でしょうが。
Commented by ayumiaruki at 2010-06-28 04:35
お兄ちゃんへ
この件では、スライドショーでも、ここに来てくれる人とも熱く話し合った。みなそれぞれの意見がはっきりしていて、興味深かったな。
私も、やっぱりこの抗議のしかたが問題だと思う。
Commented by ayumiaruki at 2010-06-28 04:42
photobra7さんへ
そんな~。兄から3日に一度は更新するようにと、旅人に無茶なこといってるんですが、写真一枚方式にしようかなあ。
Commented by ayumiaruki at 2010-06-28 04:57
名もなき通りすがり さんへ
コメントありがとうございます。
ここを歩いて、町も古道もとても静かで美しいと感じました。
おっしゃるとおり、私たちがそこを歩くことで、静けさは崩してしまうかも知れませんね。でもあの木に書いた講義文と看板は、せっかくの町の美しさも崩しているように感じました。
それがとても残念に思えます。
でも今回コメントを頂いて、旅先では旅行者の目でばかり見てしまうけど、そこに住んで生活している人の目線でも見ないとなと思いました。
よければこれからもご意見くださいね。
Commented by x at 2010-07-01 00:54 x
名も無き通りすがりさんに賛同します。

様々な柵に捉えながらも暴力一歩手前でしか声をあげられなくなった人々の現実を、通りすがりのツーリストにああだこうだ偉そうに無神経に言われたくない。あまりにも無神経ですな。


賢く我慢強く生きてみよう。


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