ただ歩いてゆく旅

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2013年 09月 13日

星と島唄の夜

【これまで歩いた総距離数】 4604㎞

【現在地】 沖縄県 渡名喜村(渡名喜島)










渡名喜島は人口500人という小ぢんまりした島だ。
観光客はあまり来ないそうで、島の人はとてもシャイ。
積極的に話しかけたりはしないけど何となく見守ってくれてる感じがある。

山と畑と海に囲まれて中央に集落がある。濃い緑は、ふくぎ並木。
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防風と強い日差しを避ける為のふくぎは、潮風にも強く枯れづらい、最高の防風林なんだそう。
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家を囲うように植えられている。
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古い沖縄の町並みが残るこの島の路地は白い砂だ。よく見ると枯葉一枚落ちていない。
90年以上も続いている習慣で、早朝に子供達や島の人が竹ほうきで綺麗に掃いているのだ。
このほうきの跡がいつも残っている。
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沖縄様式の家がとてもいい。
渡名喜島は電気自動車を積極的に使ったり、島全体で農薬を使わないようにしたりとてもエコな島だ。
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家は防風対策の為に路地から深く掘り下げて建てる。深ければ深いほど裕福だったり、働き者のあかし
とされていたそうだ。
家の正面に塀があるのは、目隠しと魔除けの為の壁。沖縄の魔物は角を曲がるのが苦手なので
真っ直ぐ家に入るのを避ける。沖縄本島では「ヒンプン」この島では「ソーンジャキ」という。
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沖縄の青い空に、この屋根がよく似合う。
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で、私達の家は最初トイレとシャワーから近い場所に張ったら、通る人、通る人、口をそろえて
「そこはハブがいるから止めた方がいい」と言うので、すぐに海辺へ移動した。
一見ハブがいるようには見えないけどこの日、島の人が裏の道で1mのハブを轢いた。
姿が見えなくなったけどもう死んでるはずだけどねえ・・・ということだった。
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島を散策した後は泳ぐ。誰もいない海でゆっくり、ゆっくりクロールで泳ぐこの幸せ。
ところで南の島に来てから、すっかり水中撮影にハマったフミさんの姿が見えない。
いつもなら3時間でも4時間でも魚を追いかけプカプカと海に浮かんでいるのに。
なんと、大事な大事なシュノーケルをさつま町に忘れて来たようで、泳ぎがあまり得意ではないフミさんは
シュノーケルがない海なんてつまらないと、すねていた。
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5日間この島に居て、私達以外に海に入っている人は、一人しか見なかった。
でも泳いでいるカメなら一日に10匹くらい見たかな。
じーーっと海を見てると、わずかに動く黒い陰が目に入る。それをしばらく目で追うとゆっくりと
頭を出す姿がとっても愛らしい。
フミさんは浜でウミガメ観察することにしたようだ。
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この浜は島の人達の憩いの場。たくさんの椅子が無造作に置かれていて、どうやらこっちのテーブル席は
お酒を飲み交わすことが多いようだ。
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この椅子は夕方くらいに、島のおじいがやってきてくつろいでいる。
くつろぐといっても1時間やそこらじゃなく、4~5時間くらいは海を眺めたり、通りかかる島の人と
話したりしてて、そのゆっくり具合がたまらなくいい。
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ある夜、テントでうとうとしながら寝支度をしていると、ゆったりとした三線と沖縄民謡が聞こえてきた。
あまりにも切なげなその歌声に惹きつけられるように、寝ぼけまなこでテントから這い出る。
歌い手の男性は壁際の暗がりに座っていて、こちらから姿は見えないけど、歌い手からは
私達の姿が見える。
邪魔にならないような距離で島唄に身をゆだねる。テンポのいい曲から有名な曲まで。
満天の星空の下、さざ波の音と風に揺れる椰子の音、そして島唄。
ずっとずっと、この時間が続くように願った。
そして歌い手はずっとずっと歌ってくれた。
最後に一言お礼を言おうと立ち上がると、三線を片手に暗い路地を帰って行く後ろ姿が見えた。
良い夜だった。
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by ayumiaruki | 2013-09-13 09:49


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