ただ歩いてゆく旅

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2017年 12月 03日

野宿史上最悪は最高?トレッキング【6〜7日目】

【これまで歩いた総距離数】 7,885km
【現在地】 ペルー
【旅の行程】
カナダ横断を一時中断して南米でバックパック旅
 2018年5月にカルガリーから旅再開予定





シャワーも浴びたし、洗濯もした、しっかりご飯も食べて体調も万全だ。
今日は午後から天気が崩れるようだから峠まで車で行き、歩いて下りながらどこかでテント泊。
今日の峠こそが、アルキニスト吉田君に「世界で一番美しい」と言わせた道で、フミさんが今回のトレッキングで、一番楽しみにしていた場所なのだ。



【Day 6】
今いるヤナマから、バケリアまでのコレクティーボは、朝3時出発。早すぎ!
早朝、セントロに行って出発間際のタクシーと交渉、バケリア手前の町までしか行かないけど、1人2ソルでまあ良し。
タクシーを降りてから1時間ほど歩いて、サンタクルス谷トレッキングのゴール地点、バケリアまで戻って来た。ここでまた車を捕まえる予定だったけど、ツアー客の居ないこの集落は静まり返っていて、誰もいない。
じゃあ、歩きながら車を捕まえよう。

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そこからもしばらくは車道を歩く。
こんな場所に〜?という所に民家がぽつんとあったりする。

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ふみさんが偶然山道を発見した。
マップスミーにも載っていない道だけど、しっかり整備されているようだ。
時々川越えがあったり変化もあって、なかなか楽しい道だ。
グネグネの車道を、かなりショートカット出来るのも嬉しい。

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天気も何とか持ちこたえてくれている。
開けた場所に出たら『お昼ご飯はここしかない』場所を見つけた。

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ここしかないでしょ。

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景色もドラマチックな雰囲気に変わって来た。
ふみさんの大好きな遺跡も発見。右手には小さな池があるから、これは住居跡かな?
ふみさんが石積みの上に居るのが見える。
天気予報は午後から雨だったけど、何だか良い感じになって来たなあ〜。

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気分良く車道をショートカットして歩いていたら、突如目の前に現れた、チョピカルキ(Chopicalqui)6,354m。
おおおーーーーーー!!チョピカルキかっちょいーー!

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6,000m級の山々をこんなに近くで感じられる場所なんてそうそうない。
いゃ〜〜良い日だ〜〜〜良い道だ〜〜。

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あとは、そろそろ車道に出て、車を見つけて、、、、。
「いやもうここまで来たら、峠まで歩こう」と、ふみさんは自分の発見した道にすっかりご機嫌だ。

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峠が近づいてきたところで、強い風が吹き始めた。
これは来るか?空が暗くなり始め、みぞれが降って来た。

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一台のトラックが下からやって来る。もう、ここを通る最後の車かも。
「乗る?車に乗る?!」
「いや、峠まで歩こう!俺がこの道楽しみにしてたの知ってるやろ?」と、ふみさん。
ええ〜〜乗らないの!?と、内心かなり不満な私、でも楽しみにしてたのも知っているしな。

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峠到着、白っ!しろーーーい!!

やっぱり車乗ったら良かったか、、、にしても峠はマズイとにかく下ろうと、急ぎ足の私。

「ちょっと待って!どうする?」というふみさんに、峠、峠言ってたのに何にも考えてなかったんかい!!と、また内心苛立つ私。

ふみさんは、この状況でも峠にテントを張りたいと言う。
ここは標高4,770m、私のアウトドア経験は大して役に立たない。ふみさんの判断に任せよう。

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とやってるうちに、風はどんどん強くなり、あられは激しくカッパを叩きつける。
ふみさんが、テント張れそうな場所を探しに行った。直ぐに姿が見えなくなる。
今のうちに、カッパのズボン履いた方がいいよな?でも、もうズボンは濡れてる、、、、いいや!ズボンは後だ(これが大失敗)

ふみさんが戻って来た
「かなり斜めだけど、なんとかテントが張れる!!」
「えーー!?なにーーー?」
「テント張れるーーー!!」
近くに居るのにもう、大声出さないと聞こえない。

風や気温が急激に変わっていくことにビビる。まだ、この状況で峠にテント良いのか?と迷う。私達のテントは、軽さ重視のウルトラライトで山岳用テントではないのだ。

ふみさんが探してくれたテント場を見てまず思ったこと。
設営でテント飛ばしたらアウトだな、、、、慎重にしないと。

テントが飛ばされないよう、1人は押さえながら設営するが、手がかじかんで上手く動かないし、あまりの強風で手間取る。
時間が経つほどテントは濡れて重くなり、雪が積もってペグが見当たらないし、頭の中は『テント飛ばすな、テント飛ばすな!』がぐるぐる。
とにかくペグでグランドシートを固定したいが、地面が岩だらけでペグ打てない!!

なんとかフライまで張ったところで
「あゆみちゃんは荷物持って中入って!」
「私もテント最後までするっ!」
「荷物あった方がテント飛ばないから、早く入って!」

でも私は中に入ってテント内の作業が終わっても、外には出れなかった。

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ふみさんは、しばらく外の作業を続けてて、中に入った時は、手がガクガクと大きく揺れ、これはヤバいと実感した。外に出て、手伝うべきだったとも思った。
ふみさんはすごく冷静で、ここまでの震えなら経験してるから大丈夫だと言う。
2人ともズボンは完全に濡れてしまった。私はダウジャケットの裾がはみ出して作業していたのに気づかず、インナーまで濡らしてしまい、背中と腰から冷え込む。

でもテントの中も濡れているから、うかつに着替えると、夜着る乾いた服が無駄に濡れてしまう。

なにもかも濡れたテントの中、2人して小さくなって体育座りして震えてるうちに、何だか笑えて来た。

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テントは強風でバタバタと揺れて、あられは相変わらずの勢いで叩きつけている。こんな状況でもテントの中に居ると安心する。

しかし、、、、落ち着いた途端、オシッコしたい、、、、猛烈にしたい、、、、外には出れない、、、、ついにペットボトルでする時が来たのか?!でもあれは女性の場合技術が必要だと、、、、じゃあビニール袋?鍋?
あ、私って冷静さを失ってる???

どれくらい経ったのか、突然テント内が明るくなった、今しかない!!
外へ出てオシッコおぉ、、お?おおーーーーーー!!

「ふみーーー!!!大変だぁ〜〜〜〜!ちょっと見てみて!」

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真っ白だったテントの周りから、九十九折の道が現れ始め。
その奥からは6,000m級の山々が姿を見せた。

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そしてテントの真ん前は、なんと!!
ワスカラーーーン!!!
おおぉーーーーーー!

さっきまで、野宿史上最悪の状況だったのに、野宿史上最高の絶景が突然現れて、身体中アドレナリンが駆け巡った。
まだ手は震えていて、動き回って気合の雄叫びをあげていないと外にはいられないけど、最高の気分だった。

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雪も解け始め、テントの下は小川になったけれど。テントの奥にもヤナパッカの尖った山頂がほんの少しだけ見えて。

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テントの中からは、沈みかける夕日とワスカラン、う〜〜〜ん最高じゃないかぁ〜〜〜。

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もう熊も居ないんだし、テント前でワスカラン眺めながら、夕食作っちゃおうか。まだ震えながらの夕日作りだけど、気持ちは落ち着いた。

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このインスタントラーメンの温かさに、どれだけ助けられたことか!!
夜は寝れないだろうと覚悟してたけど、切れ切れの睡眠は取れた。
ふみさんは、濡れたズボンを履き続けて体温で夜までになんとか乾かした。
そして私に厚手ソックスを譲ってくれた。
カナダでナミコさんにもらったカイロをお互いに貼ったのも助かった。
ずっと大事に持っていたカイロが、ここ一番で力を発揮したのだ。

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【Day 7】
翌朝、高山病の症状もなく意外と元気だ。
空は曇りがちだけど、山々は朝日に照らされて、すっぽりと雲のネットをかけたような不思議な光景だった。

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ワスカランにも朝日が当たり始めて、雲が薄くなってゆく。

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ここは去りがたいし、まだまだいたいけれど今日からまた天気は崩れるし、、、後ろ髪引かれる思いで歩き出す。

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やっぱり自然には敵わない。圧倒されるばかりだ。
車道ではなく、登山道を下りることにしたけど、またここに来て今度は車道も歩こうと、2人の意見は一致した。

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登山道を歩き終わってから、しばらく車道を歩いて車を拾えた。
何だかんだ、ああいう状況でのふみさんは冷静で、それに救われる。
そして峠にテントを張らなかったら、あの最悪の体験も最高の景色も見れなかったんだなぁ。
最悪の体験も全てひっくるめて、峠にテントを張って本当に良かったなぁ、なんてこと考えながら車に揺られ、ワラスへ向かった。

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トレッキングルート【Day1〜4】

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トレッキングルート【Day 6〜7】

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世界一周で10位以内って、結構ハードル高いんだなぁ。


2017年から世界最長の『トランスカナダトレイル』を基本に、夫婦でカナダを徒歩横断していますが、冬は南米でバックパックの旅をして、2018年5月にまた、カルガリーから旅を再開する予定です。


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by ayumiaruki | 2017-12-03 01:09 | Comments(2)
Commented by sirouto at 2017-12-03 13:09 x
おしこをしたくなって良かったですね。
変な感想ですが、これですべてが逆転。
Commented by ayumiaruki at 2017-12-04 02:58
sirouto さん
ホントですね、絶景の時間は短かったけど(でも感覚的には長く感じた)あれを見るのと、見ないのとではその後のご飯の味も、夜少しでも寝れたのも違っていたと思います。もちろん、達成感も。テント張ってる時は、これはヤバい、ヤバいと思っていたけど、後から考えたらテントさえあれば何とかなったかと。気持ちの持ちようで全てかわりますね。


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