ただ歩いてゆく旅

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2018年 03月 24日

アルゼンチン家庭の温かさ

【これまで歩いた総距離数】 7,885km
【現在地】 パラグアイ イグアス移住地
【旅の行程】
カナダ横断を一時中断して南米でバックパック旅
2018年5月にカルガリーから旅再開予定



サルタに着いたら、ニコの従兄弟のルーカスが、わざわざバスに乗って迎えに来てくれていた。

彼は16歳の学生さんで、美容師の資格を取ろうとしているけれど、卒業したら1日も早く旅に出たいと話してくれた。やっぱりニコの影響が強いようだ。
ふみさんが旅した20年前はアメリカ、オーストラリア、ヨーロッパと日本人ばかりで、南米出身のバックパッカーには全く出会わなかったそうだけど、今回の1番多かったのは、アルゼンチン人のバックパッカーだ。

家の隣に立ててある、ルカスの部屋とベッドを借してもらった。

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その日はどこも出かけずゆっくりさせてもらう。夕方6時くらいに仕事から帰ったお父さんから、母屋にお茶に呼ばれた。ビスケットのような小さくて塩っ気のある硬いパンと、甘いパンが沢山用意されていた。これが夕食かな?
お父さんは、ガールフレンドがいっぱいいるルーカスの生活や、将来を心配していた。生活の為にも、まずはちゃんと美容師の資格を取ってから旅に出て欲しいそうだ。
私達からも少しそんな話しをして欲しいと言っていたけど、子供を心配する親心は世界どこでも一緒だな、お父さんと色々話したけど、とても理解ある人のようだ。

ルカスの家族。
お父さん、お母さんのアンヘラ、弟のフランシス4歳。
肝心のルーカスは学校で写っていない。

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夜9時くらいに、お父さんから夕食にお呼ばれした。さっきのは『メリエンダ』という夕食前のオヤツだったようだ。
アルゼンチンは『シエスタ』というお昼寝と、おやつの時間がある素敵な国なんだなぁ。

お母さんは夜勤の仕事をしていて、これから出勤で帰るのは朝の6時。お父さんは建設会社の仕事が終わって、これから4歳のフランにご飯を食べさせたり、シャワーに入れたり、大変だと思うので、夕食は遠慮させてもらう。
朝ごはんも、いつも食べないから何も要らないですよと伝えたら、ちょっと残念そうなお父さんの顔。
気を使いすぎか、こういう時はいつも迷うな。

翌日の昼ごはんは、ニコのお母さんから皆んなでお昼ご飯を食べましょうとお誘いがあった。
ルーカスのお母さんアンヘラのお姉さんがニコのお母さんで、道路を挟んですぐ迎えに住んでいる。

ニコのお母さんの名前はエルサ。
今日はエンパナーダを作ってくれるそうなので、私達もお手伝いさせてもらう。
まずは肉屋で大量の挽肉を買う。

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そしてイモ、玉ねぎ、長ネギ、などの野菜と大事なのがこれ、エンパナーダの皮。
餃子の皮よりもっちりしっかりしていて重みがある。
これを大量に買ったエルサ。そんなに〜?とおもったら。

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なんと、なんと、エルサは子供が8人もいる。
家は小さな小さな商店をしていて、広さは5畳ほど。とても質素な住まいで10人の家族どう考えても生活は大変なはず。
何か食材を買いたいと言っても、今日は私達が招待するんだからと言うエルサ。
それじゃあワインを買おうとしたら、店のワインがあるからという。
何か違う事で喜んでくれる事をしよう。

学校から帰ってきた子供たち。ダンボールの中の大切な物を見せてくれた。

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6匹の子猫。
家では親猫2匹も居るのに、エルサは困ったわね〜と笑っていた。エルサは何というか母の愛そのものだ。

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8人兄弟で2人だけが女の子。しかも双子で可愛い。

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今日は私達と、ルーカスの家族も入れて16人くらいだろうか、大量のエンパナーダ作りだ。
エルサは、手作りエンパナーダに興味津々の私達に、1つ1つ手順を教えてくれる。
まずは挽肉を炒める。
そして、玉ねぎ、茹でたイモと、香辛料を混ぜて。

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最後にゆで卵、ネギを散らす。

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これを皮で包んでゆくのが大変。
この皮に具を入れるのは餃子と同じだけど、包み方が面白い。

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エルサと妹のアンヘラはさすがの手さばき。早い早い。私達にもゆっくり教えてくれる。

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最初はとんでもないエンパナーダになったけど、慣れてきてエルサに褒められた私。
最後まで手こずっていたふみさん。

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じゃん!
ふみさんの、ブサイクなエンパナーダが大受けだった。

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100個は作ったかな?

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それを揚げたのと、オーブンで焼いたのと2種類出来上がり!
そして私達の為にワインを開けてくれた。
アルゼンチンに入ってから、何度も食べているエンパナーダだけど、これが売っているエンパナーダとは全く別物と言って良いくらい美味しかった。
サクサクの食感とジューシーな具。私達だけで何個食べた事やら。

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皆んな勢揃いで、エンパナーダ!
ニコが良く家族の話をしてくれて、旅に出る時は皆んな涙、涙で思い出すと悲しくなると。
家族も皆んなニコがどうしているのか聞いてくる。子供達はニコが大好き見たい。

この大家族の中で旅先での話をしているニコが想像つく。
でもニコが、血の繋がった家族ではない事は知らなかった。
お母さんは、私はニコの心の母だと教えてくれた。

どういういきさつかは知らないけれど、10人家族で大変な生活なのに、ニコを子供として引き受けたエルサとお父さんの寛大な心に、こちらまで熱くなった。

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翌日出発予定だったけれど、エルサから明日はアルゼンチンの大きなサッカーの試合があって、ビザを作って皆んなで観戦するから、もう一晩泊まったらどお?皆んな集まって楽しいわよと勧められてもう一泊する事にした。
翌日、エルサは私達が町に出かけるバス代まで出そうとするから「ダメダメ!!」と言って出てきた。町では昼からサッカーのユニフォームを着た人や旗を持った人が盛り上がっている。
さすがアルゼンチン!

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昼ごはんを食べにメルカドへ行ったら、ここでももう始まるのかっ?て勢いで大騒ぎ。
写真撮らせて〜と言ったらビールをご馳走してくれた人達。

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ここの店主は相手チームのファンだと、悪口で盛り上がっていたおじさん達。
とにかくアルゼンチン人は陽気で気さくで、よく声をかけてくれるから楽しい。

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ゲームは夜の9時からで、今日もピザ作りの手伝いをしようと思っていたのに、帰るのはゲーム開始ギリギリになってしまった。
けど、ピザ作りは始まっていなくて、このへんもアルゼンチン流。
小麦粉に酵母を混ぜて、生地作りから始める。
今日はエルサの友達家族も来ていて、さらに大人数だ。

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やっとピザの仕込みが終わった。
お母さんは大変そうだけど、子供達が良く手伝う。

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エルサは何枚のピザを焼いていただろう?
ピザはハムとチーズにオリーブというシンプルなものだけど、美味しかった。
和気あいあいとしていて、私達はエルサや子供達とずっと一緒に作ったり話したりして、家族の一員になったような気がする一日だった。
おもてなしは、ご馳走を用意する事だけじゃなく、心から相手を受け入れてくれる気持ちなんだなと、つくづく思う。
うまく伝えられないんだけど、皆んなよそよそしさがなくて、私達の為に色々してくれる気持ちが分かるんだなぁ。

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子供達がスペイン語は分からない!と言ってもどんどん話してくれて可愛い過ぎる。

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で、私達も何かしたくて密かに準備していたのが、フルーツパフェ。
なのに失敗したーーーー!!エルサが立派な泡立て器を倉庫の奥から出してきてくれたのになぁ。
前に私達がメルカドで食べたようなパフェを作ったら子供達が喜ぶかなぁ〜というアイディアは良かったんどけどね。出来上がりはただのフルーツクリーム。
でも皆んなは盛り上がってくれて良かった。

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ふみさんは『折り紙』を作って、これが皆んな大喜び。
注目されるふみさん。
サッカーは応援していたチームが負けてしまった。

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エルサがユニフォームに着替えて、アルゼンチンの国旗で記念撮影。
私の隣、紺色Tシャツがルーカス。3日間私達に部屋とベットを貸してくれ、今日は町を案内するとまで言ってくれる、優しい青年。

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そしてニコからのプレゼントを預かっていると言って、これを渡してくれた。
インディヘナの人達も使っている布で、私が家に送ったものよりずっと質が良い。
宿にいた時も、ニコが誰よりも節約していたのを知っている。
今だって友人宅に泊めてもらいながら、路上で歌ったり大道芸をして旅の資金を稼いでいる。
なのに、こんな大切なモノを私達に用意してくれていたなんて。

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さらに長男のヘスースは、CD をプレゼントしてくれた。
私達はニコがよく歌っていたアルゼンチンのフォルクローレ『プエンテ・カレテーロ』が大好きだった。その後、他の宿で誰かがこの歌うのを耳にするたびがっかりしていたものだ。
それを話したら「ニコがこの曲を好きになったのは、僕のCD を聞くようになったからだよと」プレゼントしてくれたのだ。
本当に胸が熱くなった。お母さんといい、家族といい、ニコの優しさや温かさは、この家族がベースなんだなぁ。

ヘスースは物静かで落ち着いている。弁護士を目指して大学に行っているけど、美容師の資格も持っていたり、DJをしていたり趣味も多彩。
ニコの音楽好きは、彼の影響なんだそう。

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翌日は昼前に出発しようとしたら、ルーカスのお父さんが、今日はチョリパンをするから、食べてから出発したらどうだい?と。
ルーカスのお母さんも、皆んなも楽しみにしているから食べて行きなさいと言ってくれて、それじゃあと、またしてもご馳走になる。

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チョリパンは、焼いたソーセージをパンに挟んで食べるアルゼンチンの代表的なサンドイッチで美味しい。

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大きなソーセージをこんな風に焼くのがアルゼンチン流。

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そして皆んなとワイワイやっていたら、バスの時間に間に合わなくなり、お父さんがタクシーを呼んでくれて、ルーカスにお金を渡して私達と一緒にタクシーに乗せた。ヘスースも一緒に来てくれる。

お父さん大丈夫、タクシー代払うよーー!!
本当にみんな、気を使ってくれて優しすぎる。

タクシーの前で皆んなと、お別れのキス!キス!キス!
エルサは泣きそうになるし、私も危なかった。
なんだか、歩き旅を思い出すような、温かい家族との出会いだった。





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2017年から世界最長の『トランスカナダトレイル』を基本に、夫婦でカナダを徒歩横断していますが、冬は南米でバックパックの旅をして、2018年5月にまた、カルガリーから旅を再開する予定です。


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by ayumiaruki | 2018-03-24 11:44


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